子音同化と連音について
今回は子音同化と連音についてまとめてみました。「しっかり学ぶトルコ語」もそうですが、母音調和や子音同化といった項目は、文法書のたぐいでは、はじめの方(最初から読んでいく場合は、文字も文法も慣れていない段階)で取り上げられています。その時点では母音調和は何とか分かっても、子音同化や連音は読んでもほとんど頭に入らないでしょうから、ここは読まずに飛ばしておいて、後になってから何度もその部分に戻って見返すのが一般的かと思います(p5の「この本の特徴と使い方」にもそうするように書いてありますね)。まあ、それもだんだん面倒になってくるので、ある程度文法にも慣れてきた?このあたりで、いちどまとめ直しておくのも悪くないでしょう(まだ完全には覚えられないかもしれませんが…)。なお読み進めていく過程で、この項目は追記やまとめ直しもすることになるかと思います。
※「文法・会話」p7-8、「読本」p12-14。
子音同化
a. (2音節以上の名詞、動詞基部など) p, ç, t, k, nk で終わる語 +母音 → b, c, d, ğ, ng
※ -in (所有格助詞)を付けた場合
p (+母音) | →b | cep (+in) | →cebin | ポケットの |
ç (+母音) | →c | piliç (+in) | →pilicin | ひよこの |
t (+母音) | →d | dört (+in) | →dördün | 4の |
k (+母音) | →ğ | erik (+in) | →eriğin | 梅の |
nk (+母音) | →g | renk (+in) | →rengin | 色の |
主な例
対格助詞 -i、与格助詞 -e、所有格助詞 -in、属格助詞(3sg.) -i
yemek →yemeği (食事を)、amaç →amaca (目標へ)
çocuk, kitap →çocuğun kitabı (子供の本)
動詞基部が -t +iyor(現在形) → -diyor
etmek (する): et (+iyor) →ediyor (している)
動詞基部が -t +in (命令 2pl.) / +iniz (丁寧な命令 2pl.) → -din, -diniz
gitmek (行く): git (+in) →gidin (行け) / git (+iniz) →gidiniz (行ってください)
-ecek(予定相) +im(1sg.), +iz(1pl.) → -eceğim, -eceğiz
göstermek (見せる): göster +ecek +im →göstereceğim (私は見せる予定だ)
ögrenmek (学ぶ): ögren +ecek +iz →ögreneceğiz (私たちは学ぶ予定だ)
b. 無声子音( ç, f, h, k, p, s, ş, t ) +c, d, g → ç, t, k
主な例
-ci (接尾辞、〜する人、者) → -çi
balık +ci →balıkçı (漁師)
-di (過去) → -ti
gitmek (行く): git +di →gitti (行った)
-dir (コピュラ3sg.) → -tir
genç (若い) +dir →gençtir (彼は若いです)
-de (処格助詞)、-den (奪格助詞) → -te, -ten
otobüs +de →otobüste (バスで)
at +den →attan (馬から)
-gi (接尾辞、動詞基部に付けて動詞を名詞化する) → -ki
asmak (ぶら下げる): as +gi →askı (ぶら下げるもの、ハンガー)
biçmek (裁つ): biç +gi →biçki (裁断)
連音(介入子音)
a. 母音+母音 →間に n, s, y, ş が入る
para +i (対格助詞) →parayi (お金を)
para +e (与格助詞) →paraye (お金に)
para +i (3sg.属格*助詞) →parasi (そのお金)
Kobe +in (所有格*助詞) →Kobe'nin (神戸の)
iki +er(接尾辞、〜ずつ) →ikişer (2つずつ)
*su (水)の場合
属格では -s- ではなく -y- 、所有格では -n- ではなく -y- が入る。
Osaka'nın suyu (大阪の水)、suyun tadı (水の味)
疑問代名詞 ne (何)の場合
所有格(何の)は nenin と neyin の2種類がある(参照)。属格も nesi と neyi の2種類がある。
Ögretmenin nesi / neyi ? (先生の何?)
b. 3sg.属格 -(s)i +格助詞(共格・具格以外)→ 間に -n- が入る
(対格 -i, 与格 -e, 所有格 -in, 処格 -de, 奪格 -den)
parasi +i →parasini (そのお金を)
※子音で終わる語の場合、2sg.属格は-inとなるため、このとき格助詞が後ろにくると、3sg.属格と同じ形になる(「モジュール」注意2を参照)。
evini → ev +(i) +n +i 君の家を / ev +i +(n) +i 彼/彼女の家を
c. 母音+共格/具格 -le →間に-y-が入る
öğrenci +le →öğrenciyle(学生と)
annesi +le →annesiyle (彼/彼女の母と)
※p100では、3sg.属格 +le の場合のみ言及されているが、母音で終わる名詞にもこのルールは適用される。「モジュール」参照。