初学者のトルコ語学習ノート

「しっかり学ぶトルコ語」(ベレ出版)を使った、トルコ語学習のブログです。

第1部・第3課「名詞の格」(p66-70)

p66-1
Ali: アリは。evde: ev +de(loc.) 家に(いる)。
p66-2
Taro: 太郎は。Ayşe'yi: Ayşe +(') +y(連音) +i(acc.) アイシェを。seviyor: [sevmek] 〜を愛する / sev +iyor(進行相 3sg.) 愛している。
※固有名詞とあとに来る助詞との間には、アポストロフィが入る(p77)。
p66-3
Taro: 太郎は。Kobe'ye: Kobe +(') +y(連音) +e(dat.) 神戸へ。gidiyor: [gitmek] (dat.)へ行く / git(d) +iyor(進行相 3sg. 子音同化) 〜へ行っている。
p66-4
O: 彼(女)は。okuldan: okul +dan(abl.) 学校から。geliyor: [gelmek] (abl.)から来る、帰ってくる / gel +iyor(進行相 3sg.) 〜から帰ってくるところだ。
p66-5
Şu: これは。onun: (所有代名詞)彼(女)の。kalemi: kalem +i(gen.3sg.) (彼(女)の)ペン。değil: 〜ではない。
p66-6
Sınıfta: sınıf +de(loc. 子音同化) 教室で(に)。öğretmenle: öğretmen +le(com.) 先生と。öğrenciler: öğrenci +ler(pl.) 生徒たちが。var: いる。
p66-7
Okula: okul +e(dat.) 学校へ。 otobüsle: otobüs +le(inst.) バスで。gidiyor: [gitmek] (dat.)へ行く / git(d) +iyor(進行相 3sg. 子音同化) 彼(女)は〜へ行っている。

p69-1~6
çocuk: 子供(は)。çocuğu: [çocuk] +i(acc. 子音同化) 子供を。çocuğa: [çocuk] +e(dat. 子音同化) 子供に。
adam: 男(は)。adamı: adam +i(acc.) 男を。adama: adam +e(dat.) 男に。
polis: 警察官(は)。polisi: polis +i(acc.) 警察官を。polise: polis +e(dat.) 警察官に。
gösteriyor: [göstermek] (acc.)を見せる / göster +iyor(進行相 3sg.) 〜を見せている。

トルコ語の人称語尾まとめ

トルコ語の人称語尾は以下の4パターンです。
(第1形〜第4形の名称は、「文法・会話」p25に拠りました)

f:id:kalem:20170814022410p:plain・第3形は実質一人称のみ使われます(p155参照)。

※「しっかり学ぶトルコ語」には、進行相-mekte(動詞の不定形-mek+処格-de)について言及があるものの説明がありません。この相は-iyor同様「〜しているところである、〜しつつある」を表します。参照: 「文法・会話」p142、「モジュール」

始めるにあたって/凡例

「しっかり学ぶトルコ語」第1部・第2課まではテキスト以上の解説を特に必要としないと思われるため、この学習ノートは、第1部・第3課「名詞の格」(p66)からのスタートとなります。

学習ノートで使われる主な略号は、以下の通りです。
nom.: 主格 (nominative) / acc.: 対格 (accusative)
 / dat.: 与格 (dative) / loc.: 処格 (locative)
 / abl.: 奪格 (ablative) / poss.: 所有格 (possessive) / 
gen.: 属格 (genitive)
 / com.: 共格 (comitative)
 / inst.: 具格 (instrumental)



sg.: 単数 (singular)
 / pl.: 複数 (plural)
 / 1sg.: 1人称単数 / 2pl.: 2人称複数



adj.: 形容詞
 / adv.: 副詞


その他の事項

・変化している場合、見出し語は[yemek]、[kitap]のように[ ]で示す。

・子音同化、連音、省略などは( )で示す。

・品詞分解では、母音調和はせずに基本形で表す。
・文法用語・事項は「しっかり学ぶトルコ語」に準拠している。

・未習部分や参照が必要な部分は、適宜参照ページ数を記す。

・品詞分解や解説の必要のないほどの頻出語句は、解説を省略することもある。



参考文献・サイト
オルハン・テュレリ「トルコ語文法・会話」

(訂正二版、1978年、丸善): 「文法・会話」と略記。

竹内和夫トルコ語文法入門」

(第五版、1982年、大学書林): 「入門」と略記。
勝田茂トルコ語文法読本」

(1986年、大学書林): 「読本」と略記。
東京外国語大学言語モジュール(トルコ語)
「モジュール」と略記。



<<品詞分解・解説の記述例>>

p194-4(※194ページの4つ目の文)
Bundan: [bu](abl.) これから。sonra: (+abl.) sonra (~から)あとに。daha: もっと(adv.)。 önde: ön +de(loc.) 前に。oturmanı: [oturmak] 座る / otur +me(名詞化/p230) +n(gen.2.sg./p223) +i(acc.) あなたが座ることを。istiyorum: [istemek] (+acc.)を望む / ist(e) +iyor(進行相) +um(1sg.) 私は望んでいる。※-iyorは前の母音を消す(p122)。

はじめに

ここ1、2年で、なぜかinstagramトルコ人たちと知り合う機会が増え、そのうちに彼らが使っている(日本語とも近いとされる)トルコ語に興味を持ちはじめ、齢40過ぎではありますが、トルコ語の勉強を始めてみようと思い立ちました。

書店に行き、初心者でも読めそうな参考書をいろいろ検討してみたのですが、この手の語学書で入門者向けのものは、教育的な配慮もあって、学びやすい文法事項や会話などの簡単な文から始めて次第に複雑になっていく形を取っていくものがほとんどです。体系づけられた形で書かれているものは非常に少なく、例えば名詞の格や動詞の相や態について調べようと思っても、あちこちに書かれていて参照しづらくなっていたり、後でまとめるのも面倒になったりもします。そんな中、2016年にベレ出版から発売された「しっかり学ぶトルコ語」(アブドゥルラッハマン・ギュルベヤズ著)は、「名詞・動詞・形容詞・副詞・文の種類(重文・複文)」のパートで構成されており、読み物や会話文中心の入門書とは違い、文法事項が体系立って上手くまとめられています。また、例文も豊富で、それぞれにmp3の音声が付いているのも魅力です。私は文法をひと通り学習・理解した上でトルコ語を暗記したり使ったりしたいと考えていたので、この本はその目的にぴったりだと思いました。

ところが、そのような構成になっているので当然といっては当然なのですが、最初から「しっかり学ぶトルコ語」を読み進めていくにつれて、かなりの箇所で躓くことがわかりました。まず、例文の単語の意味を調べようとしても、巻末にある語彙集が頻出1000語のみのため、語彙集に入っていない単語がかなりあります。この点については、トルコ語−英語の安い辞典(Redhouseの辞書アプリで300円台のものがあります)やオンライン辞書などを使うことで、見出し語さえ分かれば対処できるようになりました(大学書林から出ているトルコ語辞典も欲しいのですが、8,000円もします…)。しかし、もっと深刻なのは、未習部分(当該の課よりも後で解説される項目)の知識がないと、辞書で引く見出し語すら分からないような単語がある場合です。この場合、その都度該当する文法事項を「しっかり学ぶトルコ語」や他の参考書の中から探し出して、見出し語を割り出す必要があります。これにはかなりの手間と時間がかかってしまいます。

そんなわけでこの「学習ノート」では、「しっかり学ぶトルコ語」に出てくる例文を品詞分解することで、文法事項や語彙を参照しやすくすることにしました。また、「しっかり学ぶトルコ語」で解説が不足していると思った点についても、できるかぎり別の文献などを参照し、解説を適宜加えることにします。なお、参照しやすくすることは心がけていますが、何も知識がない状態で未習の文法範囲をいきなり見ても理解しにくいと思われますので、ご利用のさいには、一度はひと通り「しっかり学ぶトルコ語」全体の構成や文法事項・用語を簡単に(それほど時間を掛けずに)眺めておくことをおすすめします。

自分自身のために作っていく学習ノートではありますが、これを見て調べる手間や時間が省けることで、同じように悩んでいる方たちの手助けが多少なりともできれば幸いです。また、当然ながら私の知らない点や誤りなどもたくさんありますので、コメント欄等でご指摘いただけたらと思います。